わたしの王子様が倒れた

わたしの王子様が倒れた。

 

心配で心配で胸が苦しくて、居ても立っても居られない。何にもできないのにどうすることもできないのに、ぞわぞわひやひやどきどきする。オロオロする。「どうしよう」なんて呟いてみたりする。泣きそうになる。

 

わたしの王子様は前にも倒れた事があった。

一昨年の夏。『少年たち』大阪公演期間中。あの時は役柄ともリンクして、儚くてすぐに消えて無くなりそうな、そんな雰囲気があった。ほんとに死んじゃうんじゃないか、なんて思った。本気で泣いた。あの時の彼はガリガリで、「自慢のシックスパック〜」なんて言って雑誌やテレビでよく披露していたけどわたしには日々がハード過ぎて、精神的にも追いこまれて、げっそりしているように見えた。絞ったんじゃなくて必要な脂肪さえも全部削ぎ落ちてしまったみたいな。だから倒れたんじゃないかなって思った。

 

わたしの王子様はよく無理をする。上の先輩達がデビューして、これからは俺たちの番や!って意気込んでたら1人消えて、2人は遠くに行ってしまった。そしたら急にそれまで端っこでニコニコほんわかしてた彼がいきなりセンターに置かれた。ポンって。「はい、じゃあおまえセンターね」って。わたしはこれを繰り上げセンターって呼んでる。嫌味とか暴言じゃなくて、ほんとにそうでしょ?そうやねん。それから彼は人が変わった。ガツガツしだした。俺が俺がってなった。いつの間にかボクって言わなくなった。大先輩の有名な舞台に出た。国民的ドラマに二回も出た。外部の舞台にも出た。映画にも出演する。彼は名実ともにみんなを引っ張るセンターになった。「俺が引っ張るんや」それが彼の使命になった。

わたしにはセンターはどうも本来の彼のポジションじゃないように感じる。彼がセンターとして生きるようになってから彼が彼らしくない。無理をしてるように感じてしまう。人が変わった。身の丈に合ってないとかこの人には無理とかそういう事じゃなくて、彼のようなジャンルの人が立つ位置では無いのではないのでは?…と。

彼が憧れている先輩はセンタータイプではない。センターでガツガツというよりも少し横にふわっと立ってて、でも要所要所きっちり決めてくるような、そんなタイプの人だと私は思う。彼も本来そういうポジションだったはず。そのポジションが彼にとっては生きやすいのではないだろうか。戻りたくても戻れないのだろうけども。

 

きっと彼はまた無理をしている。

 

 

24日の昼公演わたし的千秋楽。アンコールが無かった。もう一回会えると思ってたのに会えなかった。ぷつんって終わった。何も知らないただのヲタクのわたしはイラついた。「意味わからへん。こんなんやったら終われへん。なにあれ、不完全燃焼やし。大体声枯らすってプロとしてどうなん。ありえへんねんけど。最悪。」冗談でだけど“降りる”なんて言葉まで発してしまった。彼のことを、彼のことが大好きな自分を、捨てそうになった。

彼はギリギリの所で必死にパフォーマンスしていたのに、Show must go on精神で必死に舞台に立っていたのに、わたしはひどい言葉を並べた。泣きたい。

ごめんね。

 

 

西畑大吾くんへ

我慢しないでください。

やばい時は休んでください。

いっぱいご飯を食べて、

いっぱい寝てください。

背負いすぎないでください。

大吾くんが背負ってるモノ、きっと想像もつかないほど大きくて重たいんだろうけど西畑担がいます。手伝います。味方です。

あなたが元気で幸せそうに活動してくれることが一番嬉しいです。

だから、無理だけはしないでください。

何があってずっとずっと大好きである事は変わりません。

ゆっくり休んでください。

また元気な大吾くんに会える日を楽しみにしています。

 

わたしの王子様。

 

おわり